写真の収納棚と小テーブルは依頼者の使い道がはっきりしていてそこから寸法や形状が生まれてきた物です。形状(スタイル)は制作する私の癖が当然出てくるものですが、必然の条件も有って用途のはっきりした物は部屋に納まった時にしっくりときます。既にウォールナットのテーブルや椅子を使って頂いている部屋に追加しましたが昔から何れもがそこに置かれてあるように空間に馴染みました。


9月30日、季節は秋とは言え少し動けばまだ汗の出る気温でしたが、空には程々に気持ちのいい秋の雲が浮かび光を遮ったりまた覗かせたりと撮影日和の一日。今年制作した「大きな椅子」のプロモーション写真を知人達の協力で撮りました。制作コンセプトを明確に伝えられる印刷物にして改めてお見合いを申し込みます。
@TOTOシーウィンド淡路
奈良、吉野の杉専門材木店へ材を見に行きました。杉→家具(木工)と結びつけることは今まで正直ありませんでしたが、杉を材料として見るとキラリと光るものがあります。兵庫県の某工房から「杉・削る・プロジェクト」(仮称)のお誘いを受けて共同参画するべく何が出来るのか模索中です。それぞれの材には一長一短がもちろん有るので如何に長所を引出せるかです。

具体的なイメージを持とうと模型を作ったりしますが、表面的なスタイリングをするだけでは先には進みません、。 杉柾の表情は日本人好みで美しいと感じる。
「一人用のこれくらいの小さなお盆を、」と両手で大きさを示して依頼された盆を作りました。気持ちが途切れない程度の短時間で削り進めると仕上がりも良いようです。他方からもう一回り大きなものもリクエストがあるので次も深呼吸してから一気に仕上まで。
ウォールナット材 380×170(外寸法)

こちらの定番も在庫追加しました。
ウォールナット/黒檀 635×300
木のハンガー × 30本、同じ型で荒く木取りした後は一気に削って仕上げました。鉄線の加工も自前で、曲げて焼いてたたいて、木部同様それぞれ個性が少しずつ違います。 長年数台ずつ作っている木蝶番のハンガーラックも今回2台追加、ミナペルホネン各店で、また新作発表会場で素敵な服がかかっています。

近年制作したものの中で最小のサイズ、これはマリッジリングをオーダーした依頼者の二人のもとへ手渡される時のケースです。オリジナルの指輪を受注制作で作るのは
noniturn metal designの川口さん、「木」はまさに生きていることの象徴、なので木のケースに入れて思いを込めて作った指輪が旅立って欲しいとのこと。指輪がケースに収まっている期間はわずかだと思いますがその後も長く愛着を持って頂けたなら私も幸い。(※ 指輪は川口さん制作のものではありません)
来週17日(金曜日)から神戸酒心館で開催される企画展に出品する椅子をようやく削り終えました。—– 出来るだけ大きな木を削って造形したい、というところから始まり、どんな物をと考えていた時に17世紀頃(英国)の古い農夫の椅子の写真にインスパイアされ、行ったり来たりの思考があり、削るべき材料(栗の木)に出会って、出展に向けて大きな木の椅子を作り始めました。刺激を受けたその農夫の椅子は何が魅力的だったのかはっきり言葉で説明出来るものではありませんでしたが、何世紀もの間使われて椅子としても、材料の木としても寿命を全うしている感じが写真から感じ取れたのです。そんなふうに長く存在出来るものが作れたら制作者冥利に尽きます。枯れるまで存在出来るもの、作業を始めてからはそんなイメージを持って今回の椅子を作っていました。造形物として、木工なので「木の造形物」として魅力的なものになれば何十年か、何百年か持ち主が何代か変わったとしても、元は誰の物だったのか、誰が作ったか分からなくなっても、それは使われ残るのでしょう。その為に出来る限り時間を掛けて、考えながら、大半を刃物を研ぐ事を繰り返し削る手加工で作ってみました。—– 後は仕上の塗装をするのみです、もう造形物としては大きく変化しません、皆さんに見て頂く覚悟を決めました(笑)。ある程度何でも作れる状況で、時間も十分かけて作ったので今の私の力量がそのまま見えてしまう物だと思います。ですので椅子の名前は「木華2013」。
アトリエKIKAのfacebookページ(右ボタンクリック)に古い農夫の椅子の写真やこの制作の初期の工程を載せていますので合わせてご覧下さい。
年が変わるまであと数時間、今年やるべき事は出来たか?やるべき事山積で ’12 年も暮れようとしている気もするが、もう来る ’13 年に備える時間(21:30)だろうか、、。その前に今年も仕事を通じてまたプライベートでの多くの方々との出会いを喜び、その方々や旧来の友人知人に刺激を受け、協力し合い、支えられた事に感謝したい。中でも特にしっかり心に受け止めたいのは、多くの刃物の提供を受けた事。三木の鍛治師のO氏には「今」必要なものを指導と共に、また岐阜のH氏には共通の知人の遺品を「上手く活かしてほしい」という気持ちと共に手渡して頂き、使わせてもらっている。この事は、今の継続だけではなく更に出来る事に広がりを持たせたいと思っている私へ多くの示唆を含むと勿論受け止めて感謝したい。来年の事を言うには少しフライング気味だがこれらの刃物を生かせる仕事を’13 年は増やそうと思う。(22:00)後にはなりましたが制作に関わらせて頂いたお客様には一層の感謝を致します。皆様良いお年をお迎え下さい、今年も一年本当にありがとうございました。
クリスマスの直前(22日)に椅子の制作依頼をして頂いていた教会へ納品を終える事が出来ました。昨日と今日のクリスマスの礼拝、行事を新しい椅子で新鮮な雰囲気の中、行って頂けたのではないかと思います。9月に教会役員の方からご連絡を頂いて以来、脚数、予算の事をはじめ大きさや並べ方、使い勝手、集まる方々の年齢層、素材の事等など各段階で的確にそして熱心に打合せをして頂いた結果、意向に添えるものになったのではと感じています。片肘付きのタイプを10脚程加えたのは座っている時に肘をつく訳ではなく、お年寄りの方も少なくないので座る時、立ち上がる時に不自由が無い様に、という牧師さんをはじめ役員の方々の配慮からです。また後脚に今回は聖書を置く棚ではなく、聖書や賛美歌の本を入れておくポケットが付きました、皆さん迷われましたがこちらの方が礼拝時に使い勝手が良い様です。何年か後にメンテナンス等での再会を楽しみにしたいと思います。

日本キリスト改革派鈴蘭台教会
/神戸市北区鈴蘭台


礼拝堂椅子
仕様:オーク材ワックス仕上
座面/革張り
アームレスチェア × 60脚
W460×D540×H760(sh420)
アーム(右側)チェア × 10脚
W485×D540×H760(sh420 , ah623)


昨年アームチェアーと文机を納めて使って頂いているお客様から家族そろっての食事の機会が増えるからとダイニングセットの制作依頼を頂きました。和室用ではありますが座る、立つ、が楽なように椅子を使う生活を希望され、明治、大正期に洋家具が入ってきて日本家屋で使われていた時の様に脚もとには畳摺りを付ける改造を施して使って頂きます。(スツールは今回の依頼に合わせて描き下ろしの図面に依るので一体式)4〜6人での食事の機会が多いとの事でしたので通常なら余裕を持って1m80cmくらいのテーブルを提案する事が多いですが、今回見せて頂いた部屋は凛として小ぢんまりした和室、テーブルばかりが主張しないように1m40cm×85cmで制作しています。高さも通常より5cm低くした事で更に部屋に馴染んだ様です。楽しい団欒の時が過ごして頂ける食卓になる事を想い納品を終えました。
ぎりぎりではありましたが納品を終えた店舗「eu」さんも無事オープン、mina perhonenの服が掛かるハンガーラックとして3年程前から東京、京都、大阪の各店舗に数台ずつ作っているこのラックも定番になりつつあります。今回は一部を真鍮製に変えて脚もとの工作を少し簡略化などのマイナーチェンジを加えて制作。可動部分のある制作は、木の特性で割れる、狂うなどの事からあまり積極的には引き受けてはいませんが当初の第一条件が移動時に折り畳めること(各展示会、イベントに出動します)でもあったので、ならばその可動部分を積極的にアクセントにと作り始めた形です。完成品はシンプルにしたいと言うねらいとは裏腹にこの蝶番部分は老眼をこすりこすり加工に向かう精度が必要で手間が掛り、何年もの使用に耐え破損しない為の秘密の部品が仕込んであります。ディティールを大切にするのは繊細かつ丹精込めて作られた服を掛けるのだから、と言う思いがあります。





出雲市、地元の大工さんが建てたという和風の立派なお宅の玄関に下駄箱を制作しました。「和室の物は作れますか。」と尋ねられる事も有りますが、特に和洋の区別を気にする事無く依頼を受けています。それは様式を軽視するという事では無く、その空間を理解して必要な条件を押さえ、材料を吟味して形にすると、自ずとその場所に合う物になるはずと考えているからです。今回は遠方のお宅という事もあり、設置する場所の寸法図と玄関の写真を各方向から数枚、玄関や家の外観、庭の写真等も数枚送って頂き制作をはじめました。建物にも和の建築らしく木が豊富に使われています。—— 納品に訪れた際、玄関に使われている木は写真で見るよりも年数相応に経年変化で色に深みが出ているという印象で、下駄箱の栗材は削りたてでやや明るめの色に感じます。しかし物の量感は間違っていないと感じ、玄関戸のガラスを通して明るく光が入る場所ですから一、二年もすれば色味もすっかりその場所に馴染む事を想い納品を終え戻りました。 もちろん出雲大社へ参拝も忘れずに・・。

栗材 : oil塗装仕上(引き手/桜材、内部可動棚のみシナ材ウレタン塗装仕上)
W1420×H1080×D450
